靴作りでは、普段の生活ではまず使わない、特殊な機械や工具が数多くあります。
一見しただけではどうやって使うのわからないのですが、原理がわかると、なるほどよく出来ているなぁ、と感心するものばかりです。今後様々な機械・工具を紹介していきますので、しばしお付き合いくださいませ。
さて、靴作りでは必須となる機械が2つあります。それは革漉き機とポストミシン。
今回はポストミシンを紹介します。
最大の特徴は、ポストの柱のごとく、台座から突き出しているベッド部(下側の送り機構)です。
靴の縫製では、平面状のパーツを立体の袋状に縫い合わせていくのですが、平ミシン(家庭にあるミシン)では、構造上、どうしても立体のパーツに仕立てることができず、この柱状の送り機構が必要になってきます。
とまあ、文章で表現しても中々伝わらないかと思いますので、お暇な方は当工房に実物を見に来て下さい(笑)。
当工房のミシンはドイツのPFAFFというメーカーの年代物です。年代物とは言え、この種のミシンは数十年前のものでも問題無く現役バリバリで稼働しています。本機も例にもれず、大阪の熟練の靴職人さんから、引退するのを機に譲り受けたものをオーバーホールして使っています。
靴用ミシンでは、腕ミシンという、ベット部が横向きについているものもありますが、こちらはベテランの職人さん向け。当工房は初心者の方でも簡単に使えるミシンということでこのポストミシンを置いています。
数十年の時を経ただけあって、アンティークな風合いもたまりません。。
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